実は個人投資家がプロ投資家(機関投資家)並のリターンを得る簡単な方法というのが存在します。証券会社や運用会社にいる人間であればわりと誰でも知っている古典的な手法なのですが、そのやり方とは、
「世界の株、債券のベンチマークインデックスに連動する、手数料の安いインデックスファンド、ETFを買って放置しておく」
というやり方です。実は市場取引の大半は機関投資家によるもので、機関投資家そのものが市場なので、市場平均であるベンチマークインデックスは機関投資家が得るリターンのアベレージと概ね等しくなるというわけです。
市場に勝つ方法としては市場のタイミング選択であったり、銘柄選定によって勝つという方法がありますが、敗者のゲームの著者チャールズ・エリスは以下のような理由から市場に勝つのは難しいと言っています。
1.市場タイミングの選択
→米株のインデックスであるSP500を例にとると、1980-2008年のリターンが良かったベスト30日を逃しただけでリターンは半分以下になっていた。そんな年1度あるかないかという良い日をタイミングよく掴むことはできない。
2.個別銘柄、特定グループの選択
→機関投資家は銘柄発掘に異常なほど技術、時間、精力を費やしており、情報量、質、速度のあらゆる面で個人投資家は銘柄選定において機関投資家よりも不利。
タイミング選択が難しいなら余計な売り買いをせず取引コストを抑える。銘柄選定ができないなら全部まとめて買って資産を分散させて持っておく。というのが良い戦略になるわけです。
あとはインデックスといってもいろいろあっておおまかには株系、債券系に別れます。そこで自分の資産を株、債券、現金に振り分ける判断をしなければなりません。例外はありますが十分に分散されたポートフォリオで長期で見ればだいたいこんな傾向があります↓ 株:ハイリスク・ハイリターン。長期で見れば一番勝つ見込みが高いけど短期的には大きく負けることも 現金:リターンは無いけど安全 債券:その中間。ミドルリスク・ミドルリターン。 なので基本的にはすぐ使うことは無くて短期的には損しても良いやという資金は株系インデックスに、生活に必要な資金は現金で、なんともいえない資金は債券系インデックスにというのが資産配分の出発点となります。あとは皆さんの状況や好みで適宜調整していただければだいたい間違いの無い投資といわれるやり方となります。もちろんあくまでプロ投資家並のリターンなのでプロ投資家がみんな損するような局面では損することもあります。 インデックスに投資しておけばokというのは金融業界にいる人はだいたいみんな知ってるものなのですが、金融業界以外の方は意外と皆さん知らないようなので今回ブログに書きました。まぁ、みんなこれしか買わなかったら運用会社や証券会社が儲からなくて困るというのもあって十分な布教活動がなされていないとも言われてますが、このやり方の致命的な問題点として、めちゃくちゃつまらなくて誰も興味を示さないというのが本質なような気がします。負けるとわかってても楽しいカジノ的なロマンは無いですからね。 参考図書 敗者のゲーム チャールズ・エリス
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